コーポレートガバナンス

基本的な考え方

当社は、2023年4月に、これまで「ブランドスローガン」としていた「思いをこめて、あしたをつくる」を「パーパス」と改めて掲げています。また「パーパス」への改称と合わせて、長期的なあるべき姿からのバックキャスティングの視点を踏まえ、中長期経営構想「Beyond the OCEAN」と、そのマイルストーンとしての中期経営計画「NEXUS-26」を新たに策定しました。さらには、これらめざす姿の実現とSDGs(持続可能な開発目標)達成のため、グループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。

その基盤として、法令はもとよりその精神を遵守するとともに、公正かつ透明性のある経営を実践していくことが重要と考え、ステークホルダーの皆さまからの期待に応えるべく、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでまいります。具体的には、1.株主の権利・平等性の確保、2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働、3.適切な情報開示と透明性の確保、4.取締役会の役割・責務の適切な遂行、5.株主との建設的な対話を進めていきます。 

また、ステークホルダーとの信頼関係を築きながら企業の社会的責任を果たしていくことが企業価値の向上につながると考えています。議論の戦略性、意思決定の機動性を高めるため、2021年6月からは独立社外取締役が3分の1以上を占める経営体制としています。また、社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会の設置、ジェンダーをより意識した役員選任、政策保有株式の縮減など、ガバナンス向上に向けた取り組みを実践しています。なお、取締役会における女性取締役は1名で、その比率は16.6%となります。

コーポレートガバナンス体制

経営管理組織としては、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人等の法律上の機関に加えて、戦略会議・経営会議において経営上の重要案件および経営戦略などの審議・検討を実施しています。また、執行役員制度を導入しており、経営の監督機能と業務執行機能を分離し、役割・責任の明確化と意思決定の迅速化を図っています。取締役会は、経営の基本方針の決定と業務執行の監督を行う機関と位置づけ、社外取締役2名を選任するとともに、経営環境の変化への機動的な対処を可能とするために取締役の任期を1年、取締役の数は6名としています。社外取締役については、経営の意思決定プロセスにおいて社外取締役の役割・責務を果たせるよう、社外監査役と定期的に社外役員協議会を開催し、情報交換・認識共有できる体制を整えています。特に、取締役の選任・報酬については、社外取締役を過半数とする指名・報酬委員会の諮問・答申を経たうえで、取締役会で決定しています。また、監査役会設置会社として、社外監査役2名を含む監査役4名が内部監査部門と緊密な連携を保ち、効率的な監査を行うことにより業務の適正を確保しています。

取締役の専門性および経験

取締役スキルマトリクス

  氏 名 経営・
ガバナンス
ものづくり・
ひとづくり
開発・技術 財務・会計 法務・
リスク管理
国際経験 営業・調達
取締役 小川信也  
小川哲史  
粥川久      
野田照実    
社外取締役 本島修    
林正子        

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の実効性向上のため、以下の通り取締役会の分析・評価を実施しています。

(1)分析・評価
取締役会の構成、運営、議案などに関するアンケートを実施後、認識された課題の背景・原因や改善の方向性などの意見・提言を取りまとめ、取締役会へ報告のうえ議論を行っています。

評価の方法:アンケートによる自己評価
評価の対象:社外を含む取締役
評価項目:
 ①取締役会の規模・構成
 ②取締役会の運営
 ③取締役会の議案
 ④取締役会の支援体制

(2)結果の概要
取締役会の規模・構成、議案の内容などの各項目について概ね適切であり、実効性は確保されているとの評価がされています。一方、重要テーマについての十分な審議時間の確保、社外役員への情報提供についてさらなる課題も確認しています。
今後のさらなる実効性向上に向け、経営戦略上の重要テーマに関する審議時間をさらに確保し、より実効性ある議論の活性化に向けた社外役員への情報提供の充実化を図るなど、さらなる改善に取り組んでいきます。

指名・報酬委員会

当社は、取締役の指名ならびに報酬の決定について、公正性および透明性を確保するため、指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会の委員は、その過半数を独立社外取締役とし、取締役会は、取締役および執行役員の指名ならびに報酬について、指名・報酬委員会の意見を尊重して決議しています。

■ 取締役の選任基準・手続き
前年度実績、多様性、必要なスキルなどを考慮して本委員会で審議し、審議内容を取締役会に答申。

■ 2022年度の活動状況
開催回数:2回

■ 委員の構成
社外取締役 本島 修(委員長)
社外取締役 林 正子
代表取締役会長 小川 信也

■ 主な審議内容
・取締役候補者の選任
・業績連動報酬制度の見直し
・取締役会の実効性評価

役員報酬

当社の報酬制度においては、取締役の報酬は、基本報酬(固定額)、業績連動報酬、株式報酬で構成しています。業績連動報酬については、中長期的な視点を取り入れ、連結経常利益率および連結自己資本当期純利益率を業績連動報酬の指標にしています。

また、当社の中長期的な企業価値の向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、対象取締役に対して譲渡制限付株式付与のための報酬を支給しています。なお、社外取締役・監査役は独立した立場で経営の監督、監査を担うため基本報酬(固定額)のみとしています。

監査役監査および内部監査

監査役会は、常勤監査役2名および社外監査役2名の計4名で構成されており、監査役の職務を補助するスタッフとして監査役室を設置しています。

常勤監査役は、内部監査部門から監査報告等を受け、必要に応じて内部監査部門に対し監査方針や重点監査項目等について指示を行っています。社外監査役は、弁護士および公認会計士としての専門性を活かした助言等を取締役会等で行っています。

監査役は、会計監査の相当性確認や業務監査結果の共有を行うため、定期的に会計監査人とコミュニケーションを行っています。さらに、会社が対処すべき課題、会社を取り巻くリスクおよび監査上の重要課題等について、代表取締役、会計監査人、内部監査部門と定期的に意見交換を行い、監査の実効性確保に努めています。

内部監査部門である監査・業務改善推進室では、内部監査の実施とともに各部門における内部統制の状況を確認し、問題点の指摘・改善勧告を行い、金融商品取引法に係る内部統制監査に万全を期す一方、その他の業務に対しても内部監査範囲の拡充を行うなど内部統制の有効性を図っています。

内部統制システム

当社は、「内部統制システムの基本方針」のもと、国内外の事業体を含むグループ全体で内部統制システムの充実・強化を図っています。具体的には、財務報告の適正性確保のための体制、コンプライアンス体制を含む内部統制システムの構築・運用状況について、各実施部署・事業体等からの報告内容の検証または実地検査を行い、より適正かつ効率的な体制の構築に努めています。

この結果、財務報告に関わる内部統制は有効であると判断し、2023年3月31日を基準日とした内部統制報告書において、監査法人からも適正である旨の無限定適正意見を得ています。