経営計画

中長期経営構想と中期経営計画

私たちは、VUCA(ブーカ)と言われる先行きが見通せない厳しい環境下、これまでのような中期経営計画の更新ではなく、長期的なあるべき姿からバックキャスティングする視点を取り入れ、グローバル含め全部門の意見を踏まえ検討し、この度「中長期経営構想 Beyond the OCEAN」として策定しました。

「Beyond the OCEAN」は、どのような環境変化でも追求していく「パーパス」、環境変化を捉えて布石を打つ「長期戦略」、環境が想定と異なっても適応できる「レジリエンス」の3つの観点を踏まえてまとめました。また、中期的なマイルストーンとしての中期経営計画は、2026年度までの4年間を期間とし、「価値をつなぐ」「絆で結ぶ」「グループ経営」といった思いをこめて「NEXUS-26」としました。

この「Beyond the OCEAN」と「NEXUS-26」によって、「新しい価値」をつくりつづけていきたいと思います。

中長期経営構想 “Beyond the OCEAN”

中長期経営構想の考え方
激変する市場環境に対し、人財が強みを活かし、持続可能な成長へ

中長期的な成長イメージとして、まず「基盤」を充実させます。当社と社会や環境と事業のつながりを認識し、マイナスの影響を防ぎ、プラスの価値を生み出す事が重要です。その要となるのが、「従業員」です。「パーパスを実現する人財戦略」により従業員が力を発揮して、「多様な技術で価値を創出する」事で、「売上と利益の共成長」を実現する「事業」戦略を最大限に活かします。

「事業」戦略としては、軽量化や電動車領域に高付加価値製品を投入することで、主力のプレス事業の収益力をさらに高め、主要顧客との絆を深めていきます。さらにバルブ事業と樹脂事業では、カーメーカーだけでなくメガサプライヤー向けにも、当社のシール技術や防音・防振技術を活かし、電動車市場を果敢に開拓します。さらにモビリティ分野以外に積極的に挑戦し、コア技術を活かした社会課題解決商品により、次世代の柱を創造する芽を育てます。

こうした中長期の戦略を通して、財務・非財務両面での価値創造を実現していきます。 これらは当社のサステナビリティのマテリアリティとも合致しており、経営目標にも統合させています。

中長期的な成長イメージ
経営目標
財務と非財務(事業・サステナビリティ)価値目標を策定

中期経営計画 “NEXUS-26”

NEXUS-26

OCEAN-22の成果としては、事業面では、厳しい環境ながら売上高は着実に向上し2022年度は過去最高となり、利益も2021年度には過去最高を記録しました。また、冷間超ハイテン技術の確立と量産拡大、電動化に向けた技術開発が進化するとともに、コア技術を活かしてモビリティ分野以外への商品開発も積極的に行い、複数の商品を市場投入できました。

サステナビリティ経営にも積極的に取り組み、2020年にマテリアリティを特定し、「PACIFIC環境チャレンジ2050」を発表、カーボンニュートラルに積極的に取り組んできました。さらには人権方針の策定や健康経営の実施など、人的資本についても取り組みを強化しました。情報開示も強化し、CDPやEcoVadisなどの評価機関からも高い評価を得ることができました。

しかしながら、事業面では、利益率及び資本効率の向上が課題となっており、これを向上させていく為にも当社の保有する様々な技術を融合させ競争力を高めていく事が重要です。また、サステナビリティの取り組みも戦略に統合していく必要があり、パーパスを実現し、新しい時代を切り拓いていく為にも、多様な従業員が力を発揮し、新しい価値を創造していく事が必要です。

中長期構想で描いた4つの注力テーマは、こうした中期的な課題の解決にも密接に結びついています。「NEXUS-26」では、まずは「パーパス」を実現する多様な人財が活躍できる企業となる「人財戦略」を基盤としています。その人財が、当社の強みである「多様な技術」のポテンシャルを引き出し、既存の顧客基盤の強化に加え、新市場を開拓していく、そこに「サステナビリティを踏まえた価値を一体的に創造」していく事で、「売上と利益の共成長」を図っていくというのが、基本的な考え方となります。

OCEAN-22の振り返りとNEXUS-26の位置づけ
「課題」を着実に克服し、持続可能な成長へ
OCEAN-22の振り返りとNEXUS-26.の位置づけ
2030年および2026年事業別のめざす姿
長期的なあるべき姿を描き、中期の具体策を策定
2030年及び2026年事業別のめざす姿
セグメント別売上目標