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TPMS製品

自動車の安全性向上に寄与するTPMS

TPMS技術部
K.H

タイヤ空気圧監視システムTPMS

TPMSとはTire Pressure Monitoring Systemの略称で、タイヤバルブと一体となった送信機で、圧力や温度などタイヤ内部の情報をセンサで直接計測し、その情報を車体側の受信機に送ります。運転者は車内のモニター表示でパンクや高温状態などのタイヤの異常を常時モニタリングでき、交通事故を未然に防ぐことを目的としたシステムの一つです。現在は米国、欧州、中国などの各国でTPMSの装着が義務付けられ、日本でも法規化が検討されており、今後も市場拡大が見込まれている製品です。
また、タイヤ空気圧を適正に保つことで燃費向上にも効果があることも分かっており、自動車業界を取り巻いている環境問題への貢献も期待されます。

太平洋工業のTPMS送信機開発

TPMSの開発は、創業時から続くバルブコア技術に、長年メカトロニクス製品開発で培った技術を組み合わせた新しい事業として、約20年前に始まりました。そして、TPMS送信機メーカーのパイオニア的存在であり、“国内唯一のTPMS送信機メーカー”として、事業を拡大してきました。
TPMS送信機は、必要なさまざまな機能を1つのパッケージにまとめた高集積センサデバイスを採用しています。それによりTPMS送信機を構成する外付け部品はごくわずかとなり、センサデバイスを制御する内蔵ソフトウェアの重要性が高まります。過酷な環境下でも電池駆動で、10年以上の長期にわたる高い信頼性が求められ、正確で頑丈な高い品質のソフトウェアを実現しています。

次世代に向けたTPMS事業

今後の展開として、乗用車以外にもトラック、バス、二輪車用などに向けた新しいTPMSの開発や、アフターマーケット事業にも取り組んでいます。
当社では、純正品TPMSの電池切れ交換用として、タイヤショップや中古車ディーラーに展開していく、新しいTPMS製品「Flex-Sens」を開発し、2020年末に北米のアフターマーケット市場で販売開始しました。
また、TPMS送信機の技術を応用した新製品の開発や、TPMSの新しい付加価値のサービス・ビジネス展開にも取り組んでいます。

技術者としてのこだわり、思い

TPMSのソフトウェア開発では、メモリ使用量や動作時間の制約の中で、より効率的なソフト設計やあらゆる状況・異常の想定が難しいことに加え、ハードウェアやセンサ、ICの専門知識が必要です。
担当業務の範囲だけでなく、さまざまな業務に携わり、知識・経験を増やすことで、幅広い専門知識と多角的な視野を持ったエンジニアになりたいと思います。
その上で、”ソフトウェアで製品の品質が決まる”というくらいの気持ちを常に持ち、継続して太平洋工業製TPMSの品質と信頼を守っていきます。