こだわりのものづくり 歩行者保護機能 ポップアップフードヒンジ 河村 昌俊

  • 世界最軽量エンジンカバー
  • 高精度プレス技術
  • アルミ・ハイテンによる軽量化
  • 光輝フィルム インサート成形
  • 新タイプのTPMS送信機
  • 燃費向上 2槽式オイルパン
  • ポップアップフードヒンジ
  • プリウスの当社主要製品にみるものづくり

フードヒンジとは

フードヒンジ
フードヒンジ

フードヒンジは、自動車のエンジンフード(ボンネット)の開閉時に
蝶つがいの役割を果たす部品です。
当社は、フードヒンジ専門メーカーとして、トヨタ自動車(株)の
フードヒンジの全量を生産しています。

ポップアップフードの開発経緯

国内交通事故死者の35%は歩行者であり、その中でも頭部打撲を原因とするものが60%を占めています。自動車には歩行者保護の世界統一基準が定められ、各国での法規制化が進む中で、エンジンフードに歩行者保護性能を加えようとトヨタ自動車と共同で開発に取り組みました。
自動車と歩行者の事故が発生した際、歩行者頭部の傷害を低減するためには、フードとエンジンルームとの間に空間を作り、頭部が当たった場合にも衝撃を吸収しやすくする必要があります。セダンやクーペなどの車種はロー&ワイドのフォルムが求められ、フードはより低く、より“かっこ良い”デザインが最優先となります。そのため、フードとエンジンルームの間に十分な空間がなく、歩行者保護性能の確保が難しくなります。
「デザイン」と「歩行者保護」という、相反するニーズを満足するために開発されたのが「ポップアップフード」です。

ポップアップフードにおけるフードヒンジの役割

ポップアップフードは、歩行者と衝突した際、バンパーに配置されたセンサーが衝撃を感知し、フード後方左右のリフターがフードを持ち上げ、瞬時にフードとエンジンルームの間に空間をつくることで、歩行者への衝撃を和らげる衝突安全性向上機能です。
その機能で重要な部品となるのが「ポップアップフードヒンジ」です。

ポップアップフード用のヒンジは、ポップアップ作動時にリフターが当たることでヒンジアームが曲がり、フードを持ち上げます。
そのため、フードが持ち上がりやすく、衝撃を吸収しやすい形状でなければいけません。

ポップアップ状態のフード
ポップアップ状態のフード

ポップアップフードヒンジの仕組み

また、以下2点の基本性能も確保しています。

ポップアップフードヒンジ

1 繰り返しのフード開閉でも変形しない
開発当初から試作品を何種類も製作し、実車での性能評価を経て、フード開閉時に十分な強度を保ちつつ、ポップアップ作動時にはフードの持ち上げ・衝撃吸収性能を確保する形状を実現しました。

2 事故時のフード後退に伴うフロントガラス進入防止
通常のフードヒンジではフード後退・フロントガラスへの進入防止のために、ヒンジブラケットとヒンジアームが噛み合うストッパーを設定していますが、ポップアップフードではヒンジアームが大きく持ち上がり、ストッパーの噛み合いが困難となります。そこでポップアップフードヒンジ専用にヒンジブラケットとヒンジアームの間にリンクを取り付け、フード後退を防止しています。

この「ポップアップフード」は、2013年1月発売のトヨタ・新型クラウンハイブリッドに初搭載されました。

技術者としてのこだわり、思い

技術者としてのこだわり、思い

フードヒンジは1962年から当社で生産している、大変歴史ある製品のひとつです。これまで多くの先輩方が培ってきたノウハウを参考としながら設計を進めていますが、ここ10年ほどで衝突安全性、歩行者保護、軽量化など、フードヒンジの機能に対するニーズは急速に多様化してきています。そのニーズに応えられるよう、スピード感を持って開発・設計に取り組んでいます。今回のポップアップフードヒンジの開発経験を活かし、今後は積極的に新機能や新構造の提案を行い、より良いクルマ社会づくりに貢献したいと考えています。

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