燃費向上 2槽式オイルパン 井上 智成

  • 世界最軽量エンジンカバー
  • 高精度プレス技術
  • アルミ・ハイテンによる軽量化
  • 光輝フィルム インサート成形
  • 新タイプのTPMS送信機
  • 燃費向上 2槽式オイルパン
  • ポップアップフードヒンジ
  • プリウスの当社主要製品にみるものづくり

2槽式オイルパンとは

2槽式オイルパン

当社は、オイルパン専門メーカーとしてトヨタ自動車のオイルパンの全量を生産しています。オイルパンは、車のエンジンの下部に搭載される部品で、エンジン部品の潤滑に必要なエンジンオイルを溜め、オイルを外部に漏らさない役割を果たしています。
近年、各国の燃費規制強化により、以前にも増してCO2排出量の低減が求められていますが、オイルパン内にて燃費を向上させるためには、総油量を低減し、オイルを早期暖機させることでエンジン冷間始動でのフリクション低減を図る必要があります。
そこで、オイル品質維持に必要な油量に比べ潤滑に必要な油量が少ないことに着目し、総油量(=オイル品質維持に必要な量)は変えずに、オイルパン内を2分割し、少量の内槽油(=潤滑に必要な油量)のみでエンジン内を油循環させることで、
昇温性を向上させ、早期暖機を可能としました。

2槽式オイルパンのしくみ

2槽式オイルパンの特徴

2槽式オイルパンは、燃費を向上することができる半面、部品が追加となるためコストは若干上がってしまいます。
従って、「コストパフォーマンス(燃費1%向上させるためにかかるコスト) に優れる」ことが非常に重要となります。
そこで、燃費効果は損なわずに、安価な構造にするために工夫した点が、以下の2点です。

2槽式オイルパン

(1)連通孔
連通孔は、内外槽の油を入れ替えることで、内槽オイルの早期劣化を抑制する役割を担っています。メカバルブを用いるとコストが高いため、低コストであるプレスの抜き穴にて連通孔を形成し、最適な位置に設置することにより、エンジン稼動時および停止時の油面変動を利用し、内外槽の油を入れ替えることを考案しました。また、耐久試験にて連通孔が閉塞しないことを確認し、長期の信頼性保証も確保した。

2槽式オイルパン

(2)フロート弁
フロート弁は、通常時は閉弁することで内外槽の油を分割し、オイル交換時のみ開弁することで内槽油を速やかに排出する役割を担っています。
連通孔と同様にメカバルブを用いるとコストが高いため、シール部品の材料に油に浮く(油より比重が小さい)耐熱樹脂を使用することで、通常時は浮力を受けることで閉弁し、排油時は浮力を受けないため開弁することを考案しました。

トヨタ自動車「技術開発賞」、“超”モノづくり部品大賞「自動車部品賞」受賞

トヨタ自動車より「技術開発賞」を受賞
トヨタ自動車より「技術開発賞」を受賞
“超”ものづくり部品大賞贈賞式
“超”ものづくり部品大賞
贈賞式

本製品は、トヨタ自動車2012年グローバル仕入先総会において「技術開発賞」を受賞するとともに、モノづくり日本会議・日刊工業新聞社が主催する「2012年“超”モノづくり部品大賞」において「自動車部品賞」を受賞する栄誉に輝きました。
このような様々な賞をいただけることは、本製品に携わった人だけでなく、会社全体のモチベーションUPにも繋がると思います。今後もお客様の多様なニーズに対応した技術開発を推進し、様々な賞をいただけるような新製品を世の中にどんどん出していきたいと思います。

技術者としてのこだわり、思い

透明オイルパンを使った実験
透明オイルパンを使った実験

オイルパン2槽化構造の量産化は世界初ということもあり、開発に非常に長い年月を要しました。透明なオイルパンを造って、実際にエンジンを動かし、エンジンオイルの流れやオイルパン内に必要な油量を確認するなど、現地現物で確認しながら、一歩一歩開発を進めていきました。
最終的には、「必ずこの製品を量産化してやる」という熱い思いが量産化に繋がったのではないかと思います。今後も「NEVER GIVE UP」の気持ちを持ち続け、2槽式オイルパンの拡販や新製品の開発に注力していきたいです。

前のページへ 1 2 3 4 5 6 7 次のページへ