こだわりのものづくり アルミニウム化ハイテン化による軽量化の取り組み 松原 隆之

  • 世界最軽量エンジンカバー
  • 高精度プレス技術
  • アルミ・ハイテンによる軽量化
  • 光輝フィルム インサート成形
  • 新タイプのTPMS送信機
  • 燃費向上 2槽式オイルパン
  • ポップアップフードヒンジ
  • プリウスの当社主要製品にみるものづくり

プレス加工とは

自動車の燃費向上をめざした軽量化

プレス加工は、プレス機械に上型と下型一対の金型を取り付け、その間に板状の鋼材を挟み込み、機械で圧力を加えることにより、鋼材を変形した部品に加工する技術です。「切断、打抜き、曲げ、絞り」等の加工方法があり、複雑な形状を造るには、何回かに分けたプレス工程により、段階的に完成品に仕上げていきます。


リィンフォース センターボデーピラー

プレス製品のアルミニウム化

自動車の燃費向上をめざした軽量化

近年は、自動車の軽量化による燃費向上を目的に、アルミニウム材や超高張力鋼板(=ハイテン材)を使用したプレス製品が主流となり、複雑な形状の絞り工程では、高度な技術が求められようになりました。従来の鉄に比べて、アルミニウム材は柔らかく伸びにくいという特性から、プレス成形が非常に難しいと言われていますが、当社は長年に亘り培った高度な技術とノウハウで、アルミニウム材を使用したボデー用のプレス製品を得意としています。当社では、製品設計段階で形状の造り込みにCAE(コンピューターシミュレーション)を活用し、より良い製品形状の開発・提案を行うとともに、最少最適工法で安定した品質の製品加工を実現しています。トヨタのプリウスに採用されているバックドアオープニングは、軽量なアルミニウム材を使用し、高度な深絞り加工・曲げ加工技術で、強度、高剛性、安全性を確保するとともに、質量においては、従来品比50%の重量低減を実現しました。

また、アルミニウム材は接合方法が難しいと言われていますが、抵抗溶接やカシメ工法など製品用途に応じた最適工法を適用し、溶接設備面においては、インバータ化やサーボ化を図り、CO2 削減に寄与したものづくりを推進しています。

プレス製品のハイテン化

スプリングバック現象

スプリングバック現象

ハイテン材も伸びにくくひずみやすいという特性から、プレス成形をすると、スプリングバック現象が発生します。スプリングバックとは、材料を金型から離すと元の形状に戻ってしまう現象で、これが目的の形状を出しにくくしています。近年では、更に硬くて従来材の3~5倍もの強度を持つハイテン材を使用したプレス製品が増えています。当社ではCAE解析 を活用し、通常では目に見えない応力(元に戻ろうとする力)をコンピューター上で表示させ、ハイテン材のひずみ等の応力を制御する技術開発で、高精度なプレス加工を実現しています。トヨタのプラドに採用されているハイテン材を使用したセンタールーフリンフォースでは、強い剛性を持たせ、衝突安全性を確保するとともに、軽量化(従来品比20%の重量低減を実現)、コストダウン、燃費向上を実現しました。板厚低減と部品点数の削減を図り、軽量化と環境に優しいものづくりを推進しています。

プラドのセンタールーフリンフォース

技術者としてのこだわり、思い

CAEの解析状況

ハイテン材のような成形が難しい材料を使用したプレス製品は、CAEを駆使し、コンピューター内でバーチャルトライを繰り返すことで、実型でのトライ不具合を削減し、コストダウンと短期生準を可能にします。CAEの精度を高めるため、データの蓄積を行うとともに、CAE結果と実際の現象の差をいかに埋めるかが重要な作業であり、技術者として大切な仕事であると思っています。
今後も、軽量化や衝突安全性を高めるため、更に様々な材料を使った製品の設計・造り方の開発を加速させ、№1技術でSQCDD※のものづくりを実現し、お客様に満足していただける製品を提供していきたいと思っています。

※SQCDD…Safety(安全) Quality(品質) Cost(価格) Delivery(納期) Development(開発)

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