こだわりのものづくり 世界最軽量エンジンカバー~世界一静かな車への挑戦~ 清水 隆弘

  • 世界最軽量エンジンカバー
  • 高精度プレス技術
  • アルミ・ハイテンによる軽量化
  • 光輝フィルム インサート成形
  • 新タイプのTPMS送信機
  • 燃費向上 2槽式オイルパン
  • ポップアップフードヒンジ
  • プリウスの当社主要製品にみるものづくり

自動車の燃費向上をめざした軽量化

エンジンカバーは、エンジンの上部を覆うことにより、エンジンからの放射音の低減を図るとともに、意匠性を持たせ、エンジンルームを装飾するために開発された製品です。現在当社では、東大垣工場をはじめ、九州工場、アメリカのPacific Manufacturing Ohio Inc.でも生産を行っている、自動車用樹脂製品の主力製品です。 
地球環境問題から、自動車の燃費向上をめざした軽量化や、エンジンの低騒音化のニーズが高まる中、当社は、発泡サイレンサーの防音・防振技術と、ナノテクノロジーによる低密度なナイロン樹脂材料を用いることにより、世界最軽量の自動車用エンジンカバーを開発しました。

環境に優しい防音・防振技術

鉄やアルミを薄くする、素材を鉄から樹脂に変える等、自動車の軽量化の取り組みが進む一方で、その代わりに「エンジンの音が大きくなる」という問題が発生しました。なんとか新しい防音技術を生み出すことはできないだろうか?と試行錯誤を繰り返し、当社が開発したのが発泡サイレンサー技術です。吸音効果の高い防振材料である発泡サイレンサーを、エンジンカバーの裏面に一体発泡させるという技術で、優れた吸音・遮音・防振・制振性能を発揮します。また、ウレタン材料である発泡サイレンサーは、エンジンルームの耐熱特性等の厳しい環境にも耐えることができ、形状自由度を生かした発泡成形技術と、周囲にも優しい低騒音設計により、エンジン騒音の大幅な低減を実現しました。

地球環境に優しい軽量化技術

当社は、材料メーカーと共同で、ナノテクノロジーを用いて低密度でありながら強度があり、流動性の高いナノコンポジットナイロン材料を開発しました。これを用いて薄肉で軽量なエンジンカバーの設計が可能となり、従来製品比で23%の軽量化を実現しました。重量低減による燃費向上、CO2排出量削減に寄与しています。

こうした技術が高く評価され、当社のエンジンカバーは、トヨタのレクサスやクラウンをはじめとした高級グレード車に採用されています。


意匠性“かっこ良さ”の追求

クラウンのエンジンカバーは、当社がデザインから手掛けています。

クラウンのエンジンカバーは、当社がデザインから手掛けています。

エンジンカバーは、防音・防振性能の向上だけでなく、意匠性の向上にも取り組んでいます。意匠性の向上とは、簡単に言うと“かっこ良さ”であり、エンジンカバーはエンジンの顔として、エンジンルームを美しく演出します。日本ではまだ高級車への搭載が主ですが、中国や欧州等では、エンジンルームの“かっこ良さ”にこだわるユーザーが増えており、高い意匠性(塗装や加飾技術)が求められています。当社では、デザインから製品設計、製造、評価にいたる一貫生産体制を構築し、先端技術と独自のデザインを生かした製品提案、顧客ニーズに対応した製品の開発を推進しています。

技術者としてのこだわり、思い

エンジンとカバーの隙間を発泡ウレタンでふさぎ、振動を吸収することで騒音を抑える。太平洋工業が独自で開発したこの技術が、世界で最も静かと言われるレクサスに搭載され、レクサスの静粛性を支えています。エンジンカバーが、いつか車のスタンダードになることを願うとともに、技術者として、世界で一番「静か」・「軽い」・「安い(低コスト)」・「カッコいい」エンジンカバーをつくることが目標です。そのためには、常に市場調査や新材料・新工法の開発を進めることが重要です。
少しでも早く新しい技術を確立し、製品化できるよう、手を止めず、頭を休めず、日々「スピード感」を持って取り組んでいきたいと思っています。

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