トップ対談|太平洋工業株式会社

CSR・環境情報

創業80周年を迎え、グローカルの視点で社会が求める課題と向き合う 小川信也×杉山涼子氏 杉山涼子氏プロフィール 株式会社杉山・栗原環境事務所 取締役、富士常葉大学 社会環境学部 教授

このトップ対談は、CSRレポート2010(2010年10月31日発行)に掲載されたものを、ホームページで紹介しています。

この一年を振り返って

杉山:リーマンショック以来、主要産業が軒並み生産調整に向かうなど厳しい局面が続いており、御社においても昨年のCSRレポート2009の社員座談会では「チェンジ」をテーマに問題意識を共有されましたが、この一年はいかがでしたか。

小川:急激な事業環境変化を受けて取り組んだ「緊急収益改善活動」は、原価改善や設備投資抑制、生産体制の見直し、経費削減等を徹底的に行い、まさに全社一丸となって活動しました。エコカー減税等の効果もあり、一年で黒字転換を果たすことができましたが、皆が痛みを分かち合い、仕入先を含めグループ全体でこの有事を乗り切ったと言えます。

杉山:厳しい中でもなんとか復調のきっかけがつかめたと言うことですね。

小川:しかしながら、ここに来て円高の動きも加わり、新たな課題も出てきています。特に、中国やインドが台風の目となり、自動車産業は大きな構造変化が起きています。ハイブリッド自動車や電気自動車の加速度的な普及とともに、燃費のよい小型車が主役に躍り出て、コスト競争が激化しています。こうした構造変化にどう立ち向かっていくかが大変重要であると思っています。

杉山:2010年から「OCEAN-12」という中期経営計画を進められていますが、この構造変化に対応できそうでしょうか。

小川:「OCEAN-12」では、限られたリソースで成果を出し、企業体質をよりスリムで強固なものに変えていきます。更に2010年1月からは、原価=総コスト30%削減をめざす「原革30活動」を開始しました。「OCEAN-12」と「原革30活動」の両輪で徹底的にものづくり構造を見直し、足元固めの基盤戦略を構築します。「原革30活動」は2年間で安全・品質・設計・生産・管理・原価の6つの革新で原価革新を実現します。スタッフの15%に当たる60人をこの活動の専任としました。残る85%で従来業務を担うわけですから、革新と改善どちらも大変です。

創業から80周年を迎えて

杉山:御社とは、メーカーとマスメディアといった異業種ではありますが、地域企業同士として、祖父の代からのおつきあいです。小川社長は、14年前に社長になられたとのことですが、創業80周年を迎えられた伝統あるこの会社を、どのような思いでけん引されてこられたのでしょうか。

小川:岐阜新聞・岐阜放送の歴代社長を務められたおじい様・お父様には、社外監査役などをお引き受けいただき、長年に亘りご指導を賜りました。私が社長に就任したのは1996年で、ちょうど海外展開を本格化しようとしていた時期と重なります。スピード感をもって、「オープンでクリエイティブな経営」を心がけてきました。もう一つの経営理念は、ISO14001の受審の折に、ecology(環境)などのeといった意味も含めて、「e-companyの実現」としました。先達が築き上げた技術や品質、ものづくりの精神を継承しつつ、更にステップアップして、社会から期待される「いい会社」にしていきたいとの思いを表現しました。

杉山:小川社長のお話から、常にスピード感をもって一歩先に向かう強い信念といったものを感じます。全てに対してオープンであるということは、CSRの基本として大変重要なことですね。厳しい経済社会情勢の中ですが、岐阜県を代表する企業として、地域に元気を与えるような情報発信を続けていただきたいと期待しております。地元のマスメディアとしてもご協力できることがあろうかと思います。

 
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